前回に続いて、本日も現場での会話がどんなものか…を書いていこうと思います!
前回に続いてこのblogを書くにあたって、参考にさせて頂く本をご紹介します。
参考にさせて頂く本は、理工学関係の書籍および雑誌を発行しているオーム社から出版されている「現場で迷わないはじめての電気工事士業界用語」です。登場人物が電気工事士新人の電治郎くんと桜井先輩、北川社長という3名。桜井先輩や北川社長から電治郎くんが電気工事士としての仕事を学び一人前になっていく過程を舞台に電気工事業界用語を学ぶというような本になっています。「現場で実際使われている言葉が多く、初心者の方には分かりやすい!」と、弊社社長のおすすめ本ということで、くれよんでは、新卒の方や未経験の方には配布するようにしている本になります。
まず、この本は「共通編」と「工事編」、「試験・測定編」といった大きく分けて3つの括りで成り立っています。3回に分けてお届けいたします。前回は「共通編」をお届けしました。今回は「工事編」を書いていこうと思います!このblogを読んでくださる皆さんへのなぞなぞ!ということで、クイズ形式で書いていこうと思います。ちなみにこの本は関東での言葉になるので実際関西では少しまた違う言い回しだったり、地域によって異なるとは思います。楽しみながらご覧ください!
工事編の一発目は「躯体工事のスラブ配管」からですね!既に専門用語が並んでいますが電治郎君は桜井先輩の話す言葉が分かるのでしょうか?皆さんも一段と専門的になっていきますので引き続き、クイズ形式でお楽しみください!
桜井先輩:電治郎「スラブ配管は、はじめてだよな?」
第一問
スラブ配管とはどんな作業でしょうか?
正解
スラブ配管とは…「コンクリート埋設配管工事」のことで、躯体工事(建物の骨組み段階)でコンクリートを打ち込む前に配管をする作業のことをいう。
「埋設」とは、土のイメージだが、コンクリート内に配管を設置する際にも使う。
「スラブ」は、直訳すると「平板」の意味だが、建設業界で「スラブ」と言うと、一般的にコンクリート製の床(または天井)を指す。
※下記図参照
初めてのスラブ配管という電治郎くんに桜井先輩がどうやら指示をしています。
桜井先輩:じゃあ簡単な工事からやってみようか。ここからEPSの場所まで200ピッチでCD22を4本流しておいてよ。
電治郎くん:200ピッチ?22?流す?…わかりました。やってみます。
とはいうものの…電治郎くん「??」が浮かんでますが、皆さんは何を指示されたか分かりますか?電気工事士たちの会話…もはや暗号です(笑)ではここで質問です。
第二問
何と桜井先輩は指示をしたのでしょうか?
正解
桜井先輩:じゃあ簡単な工事からやってみようか。ここからEPSの場所まで配管同士の離隔を200mm確保してCD管のサイズ22を4本埋設配管しておいてよ。
EPSとは…Electric Pipe Shaft(Space)の略。建物を上下に貫通する電気配線スペースのこと。ここを中心に様々な機器へケーブルなどが配線される。
配管同士の離隔をする理由…配管を密集させると、当然その部分は空洞となり、当該部分のコンクリートが弱くなってしまうので、配管同士の離隔を取る必要がある。
CD管とは…プラスチック製のフレキ管のこと。電線管としてはコンクリートの中しか使えない。なお、間違い防止の為CD管はオレンジ色をしています。
作業も進み、内装工事の壁建て込み工事の際の会話です。
桜井先輩:電治郎、墨の高さに背中止めのゼンネジを流してくれ。平塗代カバーだからゼンネジを取付ける奥行を間違うなよ。あとボックスの上側にPF22のボッコンを1つ付けといて。塗代は小判な。
第三問
「背中止めのゼンネジを流してくれ」と「PF22のボッコンを1つ付けといて」とはどんな意味でしょうか?
正解
「背中止めのゼンネジを流してくれ」…ボックスを背面から固定するための全ネジボルトを水平にLGSに取り付けてくれ
「PF22のボッコンを1つ付けといて」…サイズ22のPF管用のボックスコネクタを1つ付けといて。
全ネジボルトとは…丸型の鋼棒の全長においてネジが切ってあるもの。「寸切り(すんぎり・ずんぎり)ボルト」とも呼ばれる。
※下記図参照
ボックスコネクタとは…アウトレットボックスに配管を接続させるための部材。
※下記図参照
場面は変わって…天井内配線工事の現場での会話です。
桜井先輩:ジョイント用のボックスも付けたし、結線するか。この現場の仕様は、ワゴじゃなくてスリーブだったな。電治郎、スリーブとアッペン持って来て。
では問題です。
第四問
桜井先輩はこの現場の仕様は何だと言い、電治郎くんに何を持ってくるように言ったでしょう?
正解
桜井先輩:この現場の仕様は、差し込みコネクタじゃなくてリングスリーブだったな。電治郎、リングスリーブと圧着ペンチ持って来て。
差し込みコネクタとは…電線の被覆を剥き、既定の穴に差し込むだけで結線が行える部材。最初に普及した商品を作っていた会社名から「ワゴ」の略称で呼ばれることが多い。
※下記図参照
リングスリーブとは…電線同士を圧着接続させる際に使用する部材。主に単線同士の接続に使われる。接続される電線の本数に応じて小・中・大を使い分ける。箱の裏などに組み合わせが書いてあるため組み合わせを暗記する必要はない。
※下記図参照
圧着ペンチとは…色々な種類のものがあるが、基本的なものは柄が黄色のリングスリーブ用のものと、柄が赤色の、より線への圧着端子取り付け用のものである。
※下記図参照
ということで…第2回目は「工事編」をお送りしました。次回はラスト!!「試験・測定編」になります!本日もお付き合いいただきありがとうございました。次回もお楽しみに!!