三部作最後のBlog!
本日も現場での会話がどんなものか…を書いていこうと思います!
前回に続いてこのblogを書くにあたって、参考にさせて頂く本を改めてご紹介します。
参考にさせて頂く本は、理工学関係の書籍および雑誌を発行しているオーム社から出版されている「現場で迷わないはじめての電気工事士業界用語」です。登場人物が電気工事士新人の電治郎くんと桜井先輩、北川社長という3名。桜井先輩や北川社長から電治郎くんが電気工事士としての仕事を学び一人前になっていく過程を舞台に電気工事業界用語を学ぶというような本になっています。「現場で実際使われている言葉が多く、初心者の方には分かりやすい!」と、弊社社長のおすすめ本ということで、くれよんでは、新卒の方や未経験の方には配布するようにしている本になります。
まず、この本は「共通編」と「工事編」、「試験・測定編」といった大きく分けて3つの括りで成り立っています。3回目の今回は「試験・測定編」を書いていこうと思います!今回もクイズ形式で書いていきます。ちなみにこの本は関東での言葉になるので実際関西では少しまた違う言い回しだったり、地域によって異なるとは思います。楽しみながらご覧ください!
今回の電治郎くんと桜井先輩のやり取りは、絶縁抵抗試験での一コマです。
桜井先輩:盤もはさみ終わったし、器具も付けたし、送電に向けてメガーをかけていくか。マシジメもやっていかないとな。
第一問
送電に向けてメガーをかけていくか。マシジメもやっていかないとな。とは何を何すると言っているでしょうか?
正解
桜井先輩:盤もはさみ終わったし、器具も付けたし、送電に向けて絶縁抵抗計で絶縁抵抗試験をしていくか。増し締めもやっていかないとな。
送電とは…盤や照明器具、コンセントなどに電気を流していくこと。電気工事の世界では、「電気を送る」と表現される。
絶縁抵抗計とは…一般的には「メガー」の略称で呼ばれる計器。電線やケーブルまたは機器などに電圧を加え、その時に発生する漏れ電流により、対象物の絶縁抵抗を測定する。電圧を加えて試験をすることから、「メガーをかける」や「メガーをあてる」と表現される。
※下記図参照
増し締めとは…接続端子の緩みがないか確認し、該当のビスなどを再度、締めつけること。
電治郎くんが意味も分からずワクワクしているようで、桜井先輩に注意を受けています。
桜井先輩:ロウデンの原因になる絶縁不良や結線間違いを見つけるためにメガーをかけるんだよ。
第二問
ロウデンとは何でしょう?
正解
桜井先輩:漏電の原因になる絶縁不良や結線間違いを見つけるためにメガーをかけるんだよ。
漏電とは…電気が予定された正しいルート以外に流れてしまうこと。「電気」が漏れるというイメージから、漏電と呼ばれる。
桜井先輩:まずは増し締めからだからな。俺はシュカンのイチジガワをやるから、電治郎はニジガワをトルクドライバーで締めていってくれ。マーキングも忘れるなよ。
第三問
シュカンのイチジガワとは?そして桜井先輩は電治郎にはどんな指示をしているのでしょうか?
正解
桜井先輩:まずは増し締めからだからな。俺は主幹の一次側をやるから、電治郎は二次側をトルクドライバーで締めていってくれ。マーキングも忘れるなよ。
主幹とは…盤に入ってくる幹線ケーブルを接続するブレーカー。通常、主幹で受けた電気を分岐して、各機器に送電する。各機器に送電するブレーカーは「分岐ブレーカー」と言う。
一次側、二次側とは…盤やブレーカーに対し、電気が入ってくる方を「一次側」と呼び、出て行く方を「二次側」と呼ぶ。文中では番に入って来る幹線ケーブルを「一次側」、各機器に行く配線を「二次側」と呼んでいる。
※下記図参照
次は回路試験で桜井先輩が電治郎くんに何か伝えています。
桜井先輩:あっ、死んだ。これ、どっかで回っちゃってるな。電治郎、このままだと、ぶつかってブレーカーが飛んじゃうから、301、302両方とも、線を浮かしといてくれ。
第四問
桜井先輩は電治郎君にどんな指示をしたでしょうか?
正解
桜井先輩:あっ、切れた。これ、どっかで別の回路から電源が来ているな。電治郎、このままだと、電源んが混触してブレーカーが飛んじゃうから、301、302両方とも、線をブレーカーの端子から外しておいてくれ。
死んでる(生きている)とは…電気が送電されているか、送電されていないかを表現する言葉。また、電気の入り切りは、「生かす」、「殺す」などと表現されることも多い。
回る、ぶつかるとは…正しい電源に加え、違う別の回路電源が、何らかしらのミスで供給されてしまっている状態のこと。本来のブレーカーを開放しても現地の電源は生き続けているため、非常に危険な状態となる。また、電源の組み合わせによってはブレーカーが飛んで、電気を送ることができない。
浮かすとは…接続対象から該当電線を外すこと。ブレーカーの端子台だけでなくプルボックスなどのジョイントから、該当電線を外す際にも用いられる。
最後までご覧いただきありがとうございます。
3週連続で電気工事士の現場での会話についてBlogを書かせて頂きました。地域によって多少異なる事もあるかとは思います。今回、参考にさせて頂いた本も、関東での会話をベースに書かれたものになるようです。地域の違いによって異なる部分なんかも併せて楽しんでいただけたら幸いです。