ビジョンマップができるまで
なぜビジョンマップを
つくろうと思ったのか
電気工事業界に参入して6年目の2021年。代表の稲田はこんな課題を感じていました。「工事の数は増え、質も上がっていった。でも、組織としてレベルアップしている感覚がなかった」。稲田が求める理想の組織は、ただ技術が高い組織でも、ただ売上を上げる組織でもなく、そこで働いていることに社員が誇りを持っており、一枚岩になっている組織です。「このままだと理想には辿り着けない。何か手を打たないと」。その一手に選んだのが、企業の理念をしっかりと定義し、言語化し、明文化するビジョンマップの作成でした。電気工事業界で理念を重視している会社は多くありません。その中でいち早く強固な組織をつくり上げれば唯一無二の存在になれるはず。そう信じ、ほぼ全社員による3時間のミーティングを15回以上開催。価値観や会社の未来について意見をぶつけ合いながら、くれよんらしい、他にはない理念をみんなでつくっていきました。
CHAPTER 01
「もっとほかのことに時間を使うべきでは?」。会社の行く末を左右する理念の構築。中途半端で終わりたくない稲田は膨大な時間をかける覚悟でした。しかし、社員にとって、理念の重要性を理解するのは簡単ではありません。理解できないことに膨大な時間を割く必要性はもっと理解が難しい。疑問の声が上がるのは当然でした。それでも稲田は毅然とした態度で伝えます。「理念を明確にすることで会社は必ず良くなる。休日休暇、給与待遇、福利厚生、いろんなことで還元できる。信じてついてきて欲しい」。そうしてスタートしたビジョンマッププロジェクト。仕事終わりの疲れた体に鞭打って、まずは「仕事とは?」「社員とは?」「お客様とは?」自分たちのことを知るための議論を重ねていきました。
CHAPTER 02
「商品とは?」の議論にさしかかった時。「強み」と言い換えることもできる商品に対して社員たちが口にしたのは「人間力」という言葉でした。同業他社と比べて若いメンバーの多いくれよん。ベテランの職人さんに可愛がってもらえたり、そこから生まれるコミュニケーションのおかげで仕事がスムーズに進んだり、新しい工事の受注につながることがあります。だからこそ、人間力を大切にしようという意見が出てきたのでした。とはいえ、電気工事は高度な技術が求められる仕事。人間力だけではいけないことは社員も分かっています。「人間力が強みだからこそ、技術を磨いていこう。2つがかけ合わされば、くれよんはもっと良くなる」。ビジョンマップの方程式『人間力×技術力』は、そんな議論から生まれていきました。
CHAPTER 03
“古い業界だから今更どうしようもない”。まだまだ他責な発言が目立つ状況に、稲田はこう問いかけました。「その中でも自分たちができることは何やろう?」。時代のせい。業界のせい。自分以外のせいにしていては状況は変わらない。そんな想いを伝えるための問いかけでした。すると、社員からも自責の言葉が出てくるようになりました。ビジョンマッププロジェクトには1つのゴールがあります。それは、守るべき価値観『VALUE』、企業の存在意義『MISSION』、目指すべき将来像『VISION』を定義すること。くれよんはまずVALUEに「何ごとも自責に捉えよう」といった守るべき12の価値観を『12の原理原色』という名のもとに策定。さらには『まだ現場(ここ)にない価値を描く」というMISSIONも策定しました。このMISSIONには、独自の価値観のもとで工事を行ない、業界の常識に縛られない、同業他社が生み出していない価値をつくり出すんだという決意が込められています。
CHAPTER 04
理念構築の最終段階。会社のVISIONを定めていきました。独自の価値観のもとで工事をおこない、まだどこも生み出していない価値を生み出した先に、どんな未来を実現するのか。ディスカッションを重ね、選び出したのは『色めく』というキーワード。電気工事業界をとりまくネガティブイメージを払拭する。払拭したらどうなるのか。今よりももっとたくさんの人が集まっている。たくさんの個性が混じり合っている。華やかな業界になっている。思考を深堀りし、導き出した答えに『くれよん』という社名のエッセンスを加え、『電気工事業界を色めく仕事に』というVISIONを策定しました。このVISIONを策定するまでに要した時間は実に40時間以上。ミーティングは回数にして15回以上。とことん意見をぶつけ合い、磨き上げたからこそ、全員納得のブレない理念が完成。文言の微調整やデザインを施し、A3用紙一枚にまとめた『ビジョンマップ』をつくり上げていきました。
CHAPTER 05
企業理念は構築がゴールではありません。
むしろスタートラインに立ったに過ぎません。
社員全員が理解して行動に落とし込むことができるか。
定めている定量ゴールを達成できるか。
『ビジョンマップ』という名の通り、未来を示す“地図”を作っただけであり、
そこに描かれている未来を実現できるかはこれからの自分たち次第です。
電気工事業界で唯一無二の組織になるために走り出したくれよん。
戦いはまだ始まったばかりです。